小売業A社のWithコロナに向けたIT業務のアウトソーシング事例

小売業A社は、社員が日々の運用業務に追われ、コア業務に集中できない問題を抱えていました。そして、コロナ禍によりその課題が顕在化しました。この課題を解決するため、複雑なデータ作成や深夜のシステム監視など、外部委託が難しい業務を短期間でアウトソーシング化することで、Withコロナに向けた取り組みを進めることができました。ここでは、その事例をご紹介します。

コア業務に集中する時間を増やすために解決すべき課題

外資系小売り約50店舗を運営するA社は、Beforeコロナの時点で、自社社員がもっとコア事業に集中する時間を増やし、時間がかかっている運用や保守業務を効率化することを目指していました。しかし、実際には以下のような課題があり、改善に取り組むことができずにいました。

  • 日々の定型的な運用業務はなくせない。
  • 一部の業務は、毎日、必ず業務時間外に行わなければならない。
  • システムが複雑で、担当者以外は作業できない。
  • 特定の時期だけ作業量が増える。

情報システム部の業務支援BPOサービス導入

きっかけ

コロナ禍において、問題がさらに顕在化しました。A社では、ほとんどの社員がリモートワークとなりましたが、情報システム部だけは新型コロナの感染リスクがあるにも関わらず、出社してシステム運用管理業務を行う必要がありました。情報システム部はまた、Withコロナに向けて、全社のリモートワーク対応、業務の自動化、DX対応、など、よりコアな業務に集中する必要があるが、そのために十分な時間を確保できていないと、ガルフネットはA社情報システム部様より相談を受けました。

そこで、手始めに、情報システム部で行っている、通常業務時間外にしかできない出荷データの作成作業やシステムバッチ処理の監視作業をガルフネットにアウトソーシングしてみることになりました。

アウトソーシングの最初の導入

まず、ガルフネットは、A社の情報システム部担当者から現在の作業手順書の提供を受け、その内容を確認しました。作業は複雑でしたが、ガルフネットで対応できることが分かりました。その後、その手順書を確認しながら、必要となる作業環境を洗い出し、手順書を改善しました。

テスト運用を経て、本番運用を開始するまで、2週間ほどで対応できました。
最も評価された点は、マニュアル通りに作業するだけでなく、業務のヒアリングを行い、運用改善に取り組みながら、アウトソーシングを行ったことです。これらにより、業務アウトソーシング時に一番手間のかかる「業務引き継ぎ」がスムーズに行えて、しかも、作業の効率化にもつながりました。

導入後の運用改善

アウトソーシング作業の内容が確定した作業であっても、日々の作業における変更や改善点については、A社情報システム部及びガルフネットの担当者で共有します。また、急な運用方法の変更にもほぼ即座にガルフネットが対応できることも評価されました。

運用改善ミーティング

他部門へのアウトソーシングの拡大

情報システム部以外のシステム業務のアウトソーシング手順の再検討

A社では、全社的に定型業務をアウトソーシングすることが提案されていましたが、なかなか実現に至りませんでした。その理由として、以下のような事情がありました。

  • 社内で使用しているシステムを使用して行う業務については、情報システム部が取りまとめを行わないと、ベンダーに説明できない。
  • 情報システム部が自部門の業務に手一杯で、このとりまとめ作業に十分な時間が取れない。
  • そのため、他部門のとりまとめられていない業務内容を知っている情報システム部がその業務を請け負う形で移行するしかない。

A社は、業務のアウトソーシングを進めるためには、情報システム部が介入しなければならなないが、その余裕がなく、そのため、さらに情報システム部がその作業を代行し、さらに情報システム部の余裕がなくなる、というジレンマを解消しなければならないという課題に直面していました。

情報システム部はミーティングに同席するだけ

ガルフネットは、情報システム部様と協議して、各部門の業務アウトソーシングの導入方法を変更しました。
業務アウトソーシングの打ち合わせでは、情報システム部が業務内容をまとめるのではなく、ガルフネットの担当者が業務内容をヒアリングすることにしました。

作業環境の確認などのために、情報システム部の担当者には同席していただきますが、その他の業務整理、調整、引き継ぎについては直接、ガルフネットと各部門の担当者同士で行うことにしました。
この変更により、間接的なやり取りがなくなり、短期間で業務内容を把握できるようになりました。

作業マニュアルがなくても、作業内容を確認し、ガルフネットが作業マニュアルを作成しながら、アウトソーシング導入作業が進められました。

業務のアウトソーシングの拡大

最初にアウトソーシングした業務は、情報システム部が行っていた夜間に実行される一連のバッチ処理が正常に実施されていることを確認する業務でした。この業務は、週5日、夜の21時から翌3時まで、行います。

この業務では、1つのバッチ処理が停止すると、続くバッチ処理が開始できないため、常時、稼働状況を確認する必要があります。
現在は、ガルフネットでこの監視作業を行い、バッチ処理が異常終了した場合には、情報システム部の担当者に連絡するようになっています。

また、次の業務も請け負っています。

  • MD部:補充データ・客注データの作成、倉庫への指示
  • 直営営業部:店舗の客注処理データの確認と修正指示
  • 卸営業部:展示会受注データの登録処理
  • EC:クレジット売上確定処理

また、毎日のルーチン業務だけでなく、一時的に必要となるデータ処理もその都度請け負っています。

ガルフネットは、単なる作業を請け負うだけでなく、より高度な業務を引き受けます

ガルフネットの業務支援BPOサービスは、単純作業の請負にとどまらず、さらに進んだサービスです。
ガルフネットには、チェーンストア企業のシステムに関する問い合わせ対応や運用監視業務を行うコンシェルジュサービスがあり、それを通じて経験と知識を蓄積しています。
ガルフネットは、業務アウトソーシングとは、単に作業を請け負うことだけではなく、業務全体を理解し、お客様の支援を行うことを目的と考えています。ガルフネットは多くのお客様のサポートをしてきたノウハウを生かし、作業を単純な機械的な作業として行うのではなく、業務内容を理解して、業務全体の効率化をお客様に提供します。

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