『三方良し』のEDI ~導入で得られるメリットとは~

企業間受発注取引を行うEDIシステム。単に「売り手」と「買い手」のデータ交換ではなく、そこに「世間」も加えた三者にとって、有益なEDIシステムの導入が現代の企業に高い付加価値を与えます。

過剰在庫と欠品のジレンマ

在庫を持つ企業にとって在庫管理には「永遠の課題」があります。

欠品を極度に恐れると、発注が過剰になり、過剰在庫によるコスト増のリスクが高まります。逆に、過剰在庫を恐れすぎると、過小発注になり、欠品リスクが高まります。

「過剰在庫」は廃棄処分や商品価値の低下、「欠品」は販売機会の損失や顧客損失へと繋がります。いずれの場合でも、経済的損失は避けられません。

適正かつ高精度な在庫管理を行うためには、的確な需要予測を行い、予測に基づいた基準量から発注目安数を算出して発注する必要があります。これにより、適切な在庫コントロールが期待できますが、これは簡単な課題ではありません。

EDIシステム導入で何が変わるのか

在庫削減と欠品防止の両立を目指すためには、「在庫数を正確に把握する」ことが重要です。常に在庫の量を把握し、欠品が発生する前に気づいたり、需要が減少したりしているにも関わらず発注数を減らさずに余分な在庫を抱えることを避ける必要があります。

受発注の全体的な流れをデータで管理・保持するシステムによって、在庫情報を正確に把握できるようになります。

ただし、これは単体の企業(売り手側、買い手側)だけで実施しても効果が限定的です。サプライチェーン全体の可視化がなければ、在庫の最適化は進んだとは言えません。

売り手企業と買い手企業は、必要なデータを相互に確認し合い、余剰在庫と欠品リスクを最小限に抑えつつ、在庫をコントロールすることで双方の受発注業務全体を最適化することが重要です。

サプライチェーンは共同体

売り手と買い手が発注数や納品予定数、納品先の在庫を共有すれば、受発注データを迅速に把握できます。これにより、欠品のリスクを減らせます。

適切な在庫管理を行うためには、リードタイム(発注から納品までの時間)を考慮することが重要です。売り手が買い手の発注数をすぐに確認できるようになれば、必要な商品を必要な数量で必要な場所(店舗)に納品できます。

また、未来分の発注数を共有することで、買い手側の需要を予測できるので、売り手は原材料の発注や生産計画などを計画して、在庫のコントロールをより楽に行えます。

仕入・売上情報を全体で共有することによって、過剰在庫や欠品のリスクを減らし、全体にとってメリットが生まれる仕組みを協力して構築することが重要です。

増え続ける商品情報とその重要性

EDIシステムの導入により、共有可能なのは受発注データだけではありません。

最近では、食物アレルギーを持つ方の増加に伴い、店舗で提供されるメニューの原材料表示など、商品の品質情報に関する社会的ニーズが高まっています。

食物アレルギーへの対策は企業にとって高いリスクを伴います。しかし、データ連携や品質・アレルギー情報の更新などの管理は非常に困難です。また、卸企業、メーカー企業、外食企業がそれぞれ情報を正確に管理しながら、データ連携・共有ができなければ、顧客に正確な情報を提供できません。

膨大な商品や原材料の情報をデータベースで管理し、正確に相手先に変更点や使用する食材の変更などを通知して共有する必要があります。お互いにしっかりとコミュニケーションを取ることは、アレルギー事故のリスクを減らす上で重要な要素です。

近江商人の心得『三方良し』

「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」――この三つの「良し」は、近江商人の心得に基づく理想的な商売のあり方を指しています。それは、売り手と買い手の双方が満足し、さらに社会に貢献できる商売です。

EDIシステムの導入により、過剰在庫による収益の悪化や欠品による機会損失リスクが減少し、売り手と買い手が在庫を適正化することで、発注の精度が向上し、適切な在庫管理ができるようになります。

さらに、顧客に必要な商品情報を提供できれば、まさに「三方良しのEDIシステム」と言えるのではないでしょうか。顧客のニーズに応えつつ、売り手と買い手の双方が満足し、社会にも貢献できるのです。

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