レジ現金の不正を徹底解剖 ~不正対策と対応実例のご紹介~

現在の外食業界は、店舗運営をアルバイトや外国人労働者に頼らざるを得ない状況です。そんな中、店舗の売上金が不正行為によって損なわれると、大変な問題となります。本記事では、不正行為の手口とそれに対処する方法を解説します。

レジ現金不正の方法

以下の4つは、レジ現金の不正行為としてよく見られる具体的な方法です。

1) レジの空打ち
2) VOIDやメニュー取り消し処理による取引履歴の消去
3) 少額現金のレジからの抜き取り
4) 故意に少額の釣銭を渡さない

1)は、お客様からお金を受け取りながら、商品をレジに打たずに現金を着服する方法です。特に居酒屋でよく見られるのは、宴会の人数を少なく申告し、余った分を着服する方法です。例えば、5名の宴会予約があり、5名分のコースを提供するものの、レジでは4名として入力し、1名分を着服します。

2)では、一度レジで会計を行いながら、取引履歴を消去し、現金を着服します。外食店舗のオーダーエントリーシステ(OES)でのメニュー取り消しも同様です。お客様が会計される際、お勘定は正しく受け取りながら、オーダーされたメニューをレジで取り消し、その差額を着服します。
これらの不正行為は、お客様がレシートを確認すればすぐに発覚しますが、多くのお客様がレシートを十分に確認しないため、なかなか発覚しません。

3)と4)に関しては、レジ差額をチェックしていない店舗や高額メニューがある店舗では、レジ差額(1日のレジ操作終了時の現金在庫とPOS上の現金在庫の差異)が大きくなるので、より深刻な不正行為となります。

レジでの現金不正防止策

現金不正を防止するには、ソフト面とハード面の両方を考慮する必要があります。

ソフト面では、店舗内でのコミュニケーションを改善することが重要です。実際に人が見ていることが不正行為を未然に防ぐ最も効果的な方法です。また、入社時に、従業員には、不正行為について「然るべき措置」が取られることを確認した旨の誓約書を提出させ、未成年者には保証人の署名を得ることが望ましいです。しかし、未だにこのような書類の取り交わしを行っていない外食企業も多く存在します。

ハード面においては、POSレジ、自動釣銭機、レジ前に設定される録画機能が付いたカメラ、売上管理システムを導入することが有効です。

POSレジは、タブレットレジなど安価なレジでも、後から取引履歴を追跡できます。自動釣銭機は、現金計算を人間が行わないため、過不足の発生率が非常に低くなります。カメラについても、ネットワークカメラを使用することで、遠隔から録画を確認することができて、従業員に監視されていることを意識させられます。

売上管理システムは、複数店舗のPOSレジ操作管理をより効果的に行えます。
店舗のPOSレジでのVOID操作の詳細を調べるには、ジャーナルやレジ画面では時間がかかります。しかし、売上管理システムを使用することで、各店舗の POS レジの操作情報を一括で収集し、どの担当者がどのレシート(メニュー)をいつ取り消したかを簡単に調べられます。

現金不正に対するシステム対応事例:大手外食チェーンストアA社(200店舗)

ガルフネットは、お客様の要望に応えて、不正打刻を防止する生体認証打刻システムや食材ロスを極小化するための受発注管理システムを提供してきました。ここでは、現金不正の実例と、それに対するガルフネットの具体的なシステム上の対策について紹介します。

この企業は、社員1名とアルバイトで、店舗運営をしています。現在の外食企業では一般的な運営形態です。現金管理はは厳格に行っていて、POSレジでの中間点検や最終点検による現金過不足管理、レジ前に設置されたネットワークカメラによる監視を実施しています。また、POSレジでのVOID(取消)処理は禁止されていて、取消処理を行うには、複数の人間による確認が必要です。

ある店舗から、入店しているデベロッパーから、特定の曜日だけ売上額が低いというクレームが本部に入りました。本部のメンバーはすぐに、対象店舗のPOSレジ履歴を確認し、カメラの録画をチェックしましたが、疑わしい記録や行動は見つかりませんでした。

その企業からガルフネットに、不正があるようだが見つけられない、どうしたら良いか、と相談がありました。ガルフネットのエンジニアは、売上管理システム上でPOS操作履歴を確認しましたが、同様に原因がみつかりませんでした。ところが、カメラの録画とPOS操作履歴を照らし合わせてみると、お客様がレジで会計しているにも関わらず、取引履歴のない事例を見つけることができました。

これは、「レジの空打ち」による不正と考えられましたが、録画された映像ではレシートが渡されていましたので、その可能性はありません。ガルフネットの担当者は、以前に他の顧客から聞いたことがあるPOSレジの「トレーニングモード」でレジ操作を行ったように見せている(その場合、レシートが発行されます)可能性を考え、POSレジのメーカーと共同で「トレーニングモード」でのレジ操作ログを収集する機能を開発しました。

1週間「トレーニングモード」での操作履歴を確認していたところ、前述した曜日と時間に複数回発生していることが判明。
録画カメラに写っている映像と履歴から実行しているアルバイトを割り出すことに成功した。

その機能のリリース後、1週間にわたって「トレーニングモード」での操作履歴を確認していたところ、先に事例が見つかった曜日に複数回の操作が行われていることが判明しました。そして、録画カメラに映っている映像と操作履歴から、それを行っていたアルバイトが特定できました。
その後、この企業は、店舗入金機や自動釣り機の導入など、より不正が起きにくい店舗環境を整備する取り組みを進め、現在では現金の過不足や不正がなくなっています。

まとめ

現在の店舗の経営環境では、人件費の高騰が店舗利益を圧迫しています。これからは、1店舗に1名の社員を配置することも難しくなると予想されます。
そのため、従業員の不正を疑わなくてもよい、働きやすい環境を作ることが重要です。これによって、管理や調査などの余計なコストを発生させず、人件費を抑制できます。そのような店舗環境の構築のために、ガルフネットの店舗管理システムを、是非、ご検討下さい。

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