労基は突然やってくる!現場で起きていた事件とは?! (第二弾)

ある日突然やってくる労働基準監督署シリーズの第二弾。変形労働や時間外労働の対応に苦慮している人事部からの、生々しいレポートをお届けします。

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労働問題対応事例

ケース1. 変形労働時間制が監督署の調査で否認される

A社は1か月単位の変形労働時間制を導入していました。この制度は、1か月の期間内で週平均労働時間を法定労働時間以内に収めるものであり、特定の日や週に8時間や40時間を超えて労働させても時間外手当が不要となる制度です。

A社では、事前に勤務シフトを作成しており、その運用が適切であると考えていました。しかし、監督署が臨検を行った結果、変形労働時間制が認められず、1日8時間や週40時間を超える労働について時間外勤務手当の支払いが求められることとなりました。

●何が問題だったのか?

A社では1か月単位の変形労働時間制を導入しており、その要件として、各日や各週の具体的な労働時間を事前に定める必要があります(通常は勤務シフトとして知られます)。しかし、A社では現場(店舗)において、紙での事前勤務シフトを作成していたものの、給与計算は事前勤務シフトとは関係なく、月間168時間を超える部分のみを時間外勤務として処理していました。

1か月単位の変形労働時間制に関する通達では、使用者の業務の都合によって任意に労働時間を変更する制度は変形労働時間制の要件に該当しないとされています。つまり、A社の場合、現場の店長が業務の都合で勤務シフトを変更したことが、変形労働時間制の要件を満たさないと判断された結果となりました。

最大の問題点は、紙での事前の勤務シフト管理と給与計算システムが関連付けられていなかったことです。これにより、労働時間の変更が適切に反映されず、変形労働時間制の要件を満たすことが難しくなったのです。改善策としては、勤務シフトと給与計算システムを適切に連動させることが重要です。

●解決策

A社では、1か月単位の変形労働時間制において、事前の勤務シフトを勤怠管理システムに登録し、その後の勤務シフト変更の履歴も確認できるようにしました。(業務の都合でない場合、シフト変更は認められます。)

また、変形労働時間制では、業務の都合による労働時間(労働日)変更は許可されていませんが、振替休日は認められています。同一週内での振替休日であれば、1日8時間を超えなければ時間外勤務手当は発生しません。
これにより、事前の勤務シフトから振替休日までをひとつの勤怠管理システムで管理することで、シフト作成から勤怠データ作成までの一貫した管理が行えるようになりました。従業員の労働時間の変更が適切に記録され、変形労働時間制の要件を遵守できるようになりました。

ケース2. 働き方改革への対応

B社では、人手不足により時間外労働が常態化しており、月間45時間を超える状況について、監督官から是正勧告を受けました。働き方改革により、労使の合意があっても月間45時間を超える時間外労働は特別な事情がある場合に限定されるべきです。監督官からは早急な是正を求められ、B社は対応に苦慮しています。

● 何が問題だったのか?

B社では、元々、従業員当たり、毎日の時間外勤務は2時間程度でしたが、人手不足のために休日出勤が3日程度発生し、その結果、毎月70時間を超える時間外労働が発生していました。

時間外労働が月間45時間を超えるのは年間6回までということと、年間720時間以内(月平均60時間)という制限があります。

しかし、1日2時間の時間外労働が月に21日あるとすると、合計で42時間の時間外労働となります。また、休日出勤が3日あるとすると、30時間の時間外労働が発生します。これらを合計すると、合計で72時間の時間外労働が必要となってしまいます。

●解決策

B社では、従業員当たりの毎月の時間外労働を原則45時間に抑えるために、予実管理を徹底しました。特に月の途中で45時間を超えそうな場合は、店長がコントロールできる体制を整えました。

また、休日出勤については、以前は時間外労働に計上していましたが、法定休日出勤とすることにより、時間外労働から切り離し、時間外労働が45時間以内に収まるようにしました。

さらに、システム的に法定休日と所定休日を明確に区分し、休日出勤については法定休日出勤になるように勤怠システムと就業規則を改訂しました。

これらの取り組みにより、単月での時間外労働+休日労働を100時間未満に抑えるだけでなく、複数月の平均でも80時間以内に収める労働時間管理を強化しました。

このような対策によって、労働時間を適切にコントロールし、従業員の健康とワークライフバランスを向上させることが目指されています。さらに、労働時間の適正な管理は企業の組織的な生産性向上にも寄与することが期待されます。

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