楽しく働きながら「貯める・使う」ポイントで社内を活性化し離職を防止

従業員の確保と定着化は労働集約型産業の永遠のテーマだ。チェーン店向けのシステム開発・販売を行い、数万店規模で採用されるガルフネットは、新たに企業通貨アプリ「働楽ポイント」を開発、企業の課題解決に乗り出した。勤怠実績や成果に応じてポイントを発行。貯めたポイントを電子マネーや各種ポイントに交換できる仕組みづくりで、社員のモチベーションアップ、離職率減少につなげ、現場力ひいては企業力の向上に寄与する。
「働楽ポイント」を統括するガルフネット販売促進部の岩渕和育アカウントマネージャーに、流通業のモチベーション活性化策について聞いた。

勤怠実績や成果に応じてポイントが貯まる

働楽ポイント開発に至る経緯はどのようなものですか。

小売り・外食チェーンにヒアリングをすると、共通課題として離職率が高い、結果慢性的な人手不足ということが言われ続けています。
例えばある居酒屋さんの例ですと、採用した人の約半分が1年のうちにやめてしまうと言います。

すると現場はシフトの計画が組めない、入れ替えの都度教育が必要になり主戦力が育たない。採用コストも増えますし、離職防止のために時給を上げれば今度は人件費がかさんでしまう。

こうした負の連鎖をいかに断ち切るか。従業員のモチベーションを高めつつ、離職を防止するようなソリューションの提案が急務と考えていました。

インセンティブとして、社内ポイント制度に着目しました。この理由は。

これまで従業員のモチベーションアップの取り組みというと、褒賞制度を設けるのが一般的でした。期間内の成績が良い順に1位、2位、3位までを表彰するというような制度です。

しかしこうした制度は限定的な社員に多額の報奨がいく一方で、4位以下の大多数の人の頑張りが評価されづらいという問題がありました。

そこで日々の実績を少額のポイントで評価する仕組みを企画したのです。全ての社員を評価することで放置される社員がいなくなり、評価が見やすくなる。
従業員全体のやる気を引き出し、離職防止にもつなげられるとして、2019年から本格的にサービスを開始。楽しく働いてポイントを貯めようという意味を込めて「働楽ポイント」と名付けました。

勤怠システムから自動でポイント付与

働楽ポイントの具体的な仕組みは。

ポイントは勤怠実績に応じて自動で付与する方式と、上長の評価によって手動で付与する方式があり、何に対してどれだけのポイントを付与するかはお客様自身で設計できます。
例えば、毎日の出勤や業務連絡で10ポイント、他店応援の手当として500ポイント、売上目標達成で2000ポイント、他には誕生日に3000ポイントといった設定も可能です。

他社サービスにはない、御社独自の強みはどこにありますか。

勤怠システムと組み合わせてご提案できることですね。
我々、業務改革に向けた様々なソリューションを展開していますが、特に勤怠システムは現在30,000店に導入いただいています。これと連動して働楽ポイントを導入いただくことで、先ほどお話ししたように、勤怠実績に応じたポイント付与を自動で行う仕組みを構築できます。

また当社は社内SNSも提供しているので、こちらとつなげてご利用いただくこともできます。働楽ポイントのシステムはAWS上で動いているので単体での導入ももちろん可能ですが、基本的には組み合わせてご利用いただくことで強みを発揮できると考えています。

これまでのソリューション提案の下地があるからこその強みですね。

また運用面でのメリットでいきますと、ポイント費用が利用実績に応じて発生することも当社サービスの特徴です。
つまり前払いでのポイント購入が不要なので、コストをかけてポイントを付与したのに結局使われなかった、ということが起きない。企業にとって運用しやすい仕組みになっていると自負しています。

貯めたポイントは電子マネーで利用できる

一方で、従業員側のメリットというと。

我々、日本最大級のポイント業者と提携させていただいています。そのため貯めたポイントの交換先は120種類以上にも上ります。各種電子マネーからアマゾンさんのギフト券、旅行系のマイル、Tポイントやワオン、ナナコといったポイントまで幅広い。
従業員はスマートフォンのアプリでポイントを確認・管理でき、1ポイント1円相当で電子マネーや多様なポイントと交換ができます。

さらに近日中には働楽ポイントからスマホ決済アプリに直接チャージできる仕組みもリリース予定です。身近な支払いに柔軟に活用できるという意味では、働楽ポイントは従業員が自由に選択できる福利厚生制度と言うこともできると思います。

ポイントを「貯める・使う」サイクルの中で、従業員のモチベーションアップ、ひいては離職率減少につながるのですね。

実際、ポイント制度導入後、70%あった離職率が48%まで下がったというデータもあります。
「ポイントを貯めるのが楽しみになり、離職を考えなくなった」というように企業に対するエンゲージメント、帰属意識が高まっていると言えます。

そのほか、募集要項にポイント制度のことを明示することで「社員・アルバイトの応募が以前よりも増えた」という声や、「管理職がポイントを付与する機会を持つことで、社員を評価するスキルも向上した」といった付帯効果も表れています。

離職率の高止まり、人手不足は流通業全体の課題ですが、業種問わず引き合いがあるのですか。

やはり当初は人の入れ替わりが激しい外食さんからのお声がけが多く、既に取り組みがスタートしているところもございます。
ただ新型コロナウイルス感染拡大以降、トレンドは大きく変わりました。
現在は派遣・医療関係の会社さんからの問い合わせが急増しています。また業績が好調なスーパーさんからのお声がけも増えている状況です。こうした業種については、我々の方からも提案を強めていきたいと考えています。

従業員の相互評価でエンゲージメントを向上

働楽ポイント導入を成功に導く秘訣や効果を高める運用のコツはどのようなものでしょう。

実は我々の社内でも働楽ポイントを取り入れているのですが、現場に近い責任者にポイント予算をもたせ、ポイント付与の権限を与えたことで非常に良く機能しています。

また現場主導として、ポイントは従業員同士でもやり取りができ、助けてもらったお礼に100ポイントなど、メッセージをつけてやり取りもできます。
ポイントを通じて社員同士の交流が深まり、さらには社内の活性化につなげることができました。これは多店舗のチェーンで運用する際もぜひ参考にしていただきたい。

システム設計は往々にして本部主導で進みがちですが、本部がポイントを付与しようとしても、それぞれの店の中までは目が行き届きませんし、従業員にとっても顔の見えない人からポイントをもらっても嬉しくもなんともないですよね。
一つひとつの事業所単位で運用できる仕組みにしていくことが重要になります。

今後追加したい機能など、将来に向けた展望はありますか。

これはまだ構想段階ですが、今政府が進めている給与のデジタル払いが制度化されれば、それに対応したサービスの展開も考えられるかもしれません。市場では価格を打ち出す競合も増えてきている。

我々としても当然そこは意識していきますが、やはり働楽ポイントは機能や付加価値での差別化に力を入れていきたいと考えています。

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