小売業界の勤怠管理システムに必要な機能と、導入によって得られるメリット

【INDEX】

• 小売業界に見られる勤怠管理上の課題
• 小売業界の勤怠管理システムにあって欲しい機能
• 小売業界における勤怠管理システム導入のメリット
• ガルフネットは小売業界へのシステム導入実績が多数！

小売業界に見られる勤怠管理上の課題

小売業界では、多くの企業が慢性的な人手不足とそこから生じる長時間労働、負担増大に起因するスタッフの離職といった課題を抱えています。また、人手を補うためにパート・アルバイトなどの非正規雇用のスタッフが欠かせませんが、人によって勤務形態も雇用条件も異なるため、その管理の複雑さに業を煮やしているというケースも多く見られます。このような小売業界では、スタッフの勤怠管理を行う上でどんなことが問題視されているのでしょうか。

課題01／不正打刻が起きる可能性

先述したように、小売業界では人手不足を補うために、パートやアルバイトスタッフを雇用するのが一般的です。その中には一部、勤労意欲があまり高くない人、労働時間や就業規則への意識が低い人もおり、出勤や退勤の時間を偽って記録し、実際よりも長く働いたように見せかけるケースが見られます。一方で、責任感の強い人、努力家の人もおり、任された仕事を全てこなすために残業をしておきながら、退勤時間を偽って記録し、決められた時間どおりに働いたように見せかけるケースもあります。こういった不正は、従来からよくあるタイムカードやICカードによる打刻を用いた勤怠管理方法で起こりがちです。

課題02／シフト作成の複雑さ

小売業界は、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、様々な雇用形態、働き方のスタッフがいることが特徴です。また、土・日・祝日は基本的に店舗営業がされるため、勤務形態はシフト制が一般的です。そのため、人によって勤務日数、労働時間が異なり、雇用上の条件や制約もバラバラなので、スタッフ配置を決めるシフト作成は非常に難易度の高い作業となります。また、場合によっては、アルバイトスタッフに急な欠員が出たり、セール対応などで増員が必要なケースが出てきたりすることもあります。そういったイレギュラーな事態が発生すると、スタッフ配置を組み直して、新たにシフト作成をするのは至難の技とも言え、その作成にあたる店長の負担は莫大です。

課題03／法令違反が発生する可能性

人手不足が恒常的になっている小売業界では、スタッフ一人あたりの仕事量が多いため、残業になりがちです。少ない人数での店舗運営が強いられるため、希望どおりの休暇や、残業分の代休を取るのも簡単にはいかないケースがあります。また、急な欠員が出た場合は、店長やマネージャーが出勤して補う場合もあり、本来なら休憩時間や休日だったところを返上して働くような事態もあり得ます。こういったケースが積み重なると、労働基準法や社内の就業規則などで定められた労働時間、休暇日数に反するスタッフが出てくることになり、企業としてのコンプライアンスが問題となります。

課題04／ヘルプ勤務の管理の煩雑さ

小売業界では、系列店など複数店舗に勤務することも珍しいケースではありません。やはり、人手不足ということが影響していますが、業務が忙しくなることが予測されるA店に、B店からヘルプ勤務に入る、A店の状況が落ち着いたらB店の勤務に戻るといったことが、比較的頻繁に発生します。スタッフの勤務をその都度記録し、勤怠データを集計することは給与計算をする上で欠かせませんが、他店へのヘルプ勤務がある場合、これを正確に把握し、集計することは大変煩雑な作業に他ならず、店長や経理・総務スタッフの負担増になっているケースが見受けられます。

課題05／勤怠把握から給与計算までの手間の多さ

スタッフの給与は勤務の日数や時間に基づいて支払われることが一般的です。そのため、スタッフ各自の勤怠データを集計した上で、その月の給与計算を行うわけですが、この作業はエクセルなどで計算式を用いても非常に骨の折れる仕事です。タイムカードなどによるアナログな勤怠管理方法であればことさらで、そこにヘルプでの他店勤務がある場合は、店長も本部も、月末はその把握と集計に多大な手間と時間を費やすことになります。

課題06／法改正対応の影響の大きさ

勤怠管理に大きく関わる法律のひとつに労働基準法がありますが、こういった法律は定期的に改正がなされます。そしてその度に、企業側は労働管理基準や給与計算といった面で影響を受けます。改正された内容に応じて社内の仕組みやルールを変更するわけですが、一つひとつ人の手で対応していくのには手間がかかる上、ミスが起こる可能性もあります。さらには、そのミスを防ぐためのチェック体制も必要となり、法改正対応にかかる労力は決して軽いものではありません。

課題07／売上げ予測とシフト計画のズレ

小売店では店長がその店の運営を主導しますが、そこには必ず運営予算があり、この予算の管理はとても重大な業務です。予算管理を適切に行うためには、まず売上予測を立て、それを元に人員配置や予算配分を決める必要がありますが、売上予測を店長の経験や勘だけで行うと、実態とは大きくずれる結果になることがあります。例えば、来店者数が普段よりも多く、売上も伸びると予測して、いつもより多いスタッフ数でシフトを組んだが、来店者数はさほど多くなかった…というような事態です。このように店舗の繁忙状況によって、計画した人員配置に過不足が生じる場合があり、人数が余るようなら人件費の浪費を招き、足りなければ過剰労働を招く可能性があります。

小売業界の勤怠管理システムにあって欲しい機能

ここまで、小売業界における勤怠管理上の問題をたくさん見てきましたが、これらを一刀両断する方法として有効なのが、勤怠管理システムです。タイムレコーダー、シフト作成、給与計算など、それぞれ単体のシステムやWebサービスもありますが、昨今の勤怠管理システムは多彩な機能を搭載しており、複数の課題に幅広く対処できるものが多くあります。次に挙げる機能は、小売業界の課題解決に効果を発揮するので、勤怠管理システムの導入、見直しを検討している小売企業は、ぜひチェックしてみてください。

欲しい機能01／不正や違反を防ぐ打刻機能

小売企業が利用する勤怠管理システムには、タイムレコーダーに指紋や静脈、顔など、個人しか持ち得ない情報を用いる生体認証機能を備えたものが有効です。個人の特定が可能なので、小売企業に多い他店舗へのヘルプ勤務にも対応が可能。どのスタッフがヘルプで働いたのかきちんと把握でき、不正が防げます。その他、GPS情報と合わせて記録する方法も不正防止にはおすすめです。

また打刻時に、労働時間の超過や休憩時間の不足といった労務リスクがあることを本人に警告できる機能もあると良いでしょう。スタッフ自身が働き方を意識するきっかけとなり、セルフマネジメントを促すことにもつながりますし、それが結果的に企業の法令遵守にもつながります。

欲しい機能02／シフト作成のサポート機能

様々な雇用形態、契約条件のスタッフが多く働く小売企業の場合、勤怠管理システムにシフトの自動作成機能が備わっていると大変便利です。スタッフの希望、スキルや適性、雇用形態などを考慮できる機能や、労働基準法や就業規則、契約条件などのルール違反を排除できる機能があると、店長がシフト作成に費やす時間を大幅に削減することができます。

加えて、スタッフ自身が勤務日や休暇日といったシフトの希望申請をできる仕組みや、店舗からスタッフにシフト人員の追加要請ができる仕組みがあると、スタッフの満足度向上や店舗運営の円滑化にも効果が期待できます。

欲しい機能03／勤怠データがリアルタイムで把握できる機能

スタッフの勤怠管理は店舗運営を主導する店長の重要な業務ではありますが、勤怠管理システムを新たに導入または入替えするのであれば、本部が各スタッフの勤務状況をリアルタイムに一元把握できるものがおすすめです。これなら、誰がどの店舗で何時間働いているのか一目瞭然。予定外の欠勤や他店舗へのヘルプ勤務の把握も容易なため、不正行為の抑制になる他、勤務と勤務の間のインターバル時間、有給休暇の取得日数なども把握できるので、法令を遵守した健全な労働環境の整備にも役立ちます。なお、「欲しい機能01」でも触れたように、スタッフそれぞれの勤務状況に応じて、可能性のある労務リスクにアラート通知が出る仕組みがあると、企業としてのコンプライアンス強化にもつながります。

また、スタッフ各自の勤務状況が本部で把握可能になることで、各店舗の店長は、月末の勤怠データの集計が不要となります。店舗でのデータ集計が済んだ後、そのデータを元に本部が給与計算をするというフローではタイムラグが避けられませんが、システム側で自動集計された勤怠データが本部で即座に把握できるため、月末の給与計算業務がスムーズに進められます。

欲しい機能04／売上予測まで同時に行う機能

勤怠管理システムと言うと、勤怠打刻とデータ集計、そしてシフト作成ができるもの…というイメージが強いかも知れませんが、今はもっとハイスペックなものがあります。そのひとつが、売上予測機能を備えたシステムです。店舗の過去の実績や天気の情報、季節や地域ごとのイベント、実施している販促施策といった情報を加味して精度の高い売上予測を算出するだけでなく、それを元に適切な人件費を計算し、シフト作成にも反映させることができるのです。これにより、人員の不足や超過が生じにくくなり、スタッフにかかる業務負担を抑えることや、店舗予算の浪費を抑えることにも効果を発揮。健全な店舗運営が可能になります。

小売業界における勤怠管理システム導入のメリット

では最後に、先述した機能を備えた勤怠管理システムを導入すると、小売企業にとってどんなメリットが得られるのかをまとめてみます。思い当たる課題がある企業は、ぜひ前向きに導入を検討してみてください。

メリット01／店長の業務負担軽減

人手不足の小売業界では、一般的な店長業務の他にもやるべき仕事が多く、店長が対処しなければ店の運営に影響する…といったことも多々あると思います。ですが、勤怠管理システムを利用することで以下のような業務の手間が省け、店長の負担軽減というメリットが期待できます。

• スタッフごとの条件や、法令・規則に配慮したシフト作成が自動化できる
• 適正な人件費でシフト作成ができ、店舗の予算管理がしやすくなる
• スタッフからの休暇・欠勤の申請〜承認にスムーズに対処できる
• 予定外の欠員発生時にも、スムーズにシフトの人員要請ができる
• スタッフの勤怠データがリアルタイムで把握でき、細々とした集計が不要になる
• スタッフの勤務状況に合わせたマネジメントが容易になり、労務リスクも回避できる

このように、スタッフ管理にかかる労力が低減することで、店長は労働生産性を上げるための改善策や、売り上げを伸ばすための施策など、重要度の高い店長業務に時間を割くことが可能になります。

メリット02／スタッフの労働意欲の改善

スタッフの雇用形態や契約条件が一様ではない小売業界では、個々の労働意欲に差があり、それは労働生産性に影響します。ですが、勤怠管理システムを利用することにより、スタッフの意識改革を促せる可能性が高まります。

例えば、スタッフそれぞれの希望が反映されたシフトになれば、きちんと配慮してもらえた、願いを叶えてもらえたという気持ちが生まれ、店長や店舗に対する信頼度や満足度が高まるでしょう。また、労働と休憩の時間が適正に配分されたシフトになれば、過剰労働や休憩不足といった負担の集中を回避でき、不満やストレスの蓄積が防げるでしょう。このように、スタッフにとって働きやすい環境が整っていくと、労働意欲の向上にもつながっていきます。

また、欠員の補填や他店舗へのヘルプ勤務などがスムーズになることで、働く機会の損失が減ります。これは、もっと働いて稼ぎたい、と思っているスタッフにとっては願ってもないチャンスで、労働意欲をさらに高める後押しになります。

このようにスタッフの労働に対する意識が変えられれば、意欲的に業務をこなす人が増え、結果的に店舗の生産性を引き上げることにつながります。

メリット03／店舗の生産性向上

メリット01で触れたように、店長がスタッフ管理以外の業務に注力できるようになったり、ムダのない人員配置ができるようになったりすると、少ない人数でも効率的な店舗運営が可能になります。さらに、メリット02で触れたように、労働環境が良くなり、スタッフのモチベーションが上がれば、業務のスピードアップやクオリティアップが見込めます。

そして、この店長の負担軽減とスタッフの意欲向上による業務効率のアップは、店舗の生産性向上に効果的に寄与し、人手不足への対策にもなります。

メリット04／企業としてのコンプラインアンス強化

人手不足によってスタッフ一人あたりの業務負担が増え、過剰労働が起きやすい。多種多様な働き方のスタッフが存在するため、管理が煩雑化しやすい。このような小売業界特有の事情は、労務リスクを高めてしまう要因です。

ですが、勤怠管理システムを利用することは、その有効な手立てのひとつになり得ます。もちろん、全てをカバーできるわけではありませんが、労働基準法で定められている労働時間や休憩・休日、保険加入などの違反を未然に防ぐには、非常に大きな効果を発揮します。

もし法令に反すれば、懲罰が課せられるだけでなく、ブラック企業という評価がついてしまう可能性もあるので、コンプライアンスの強化が図れれば、企業の社会的な信頼や価値の維持にも有効と言えるでしょう。

ガルフネットは小売業界への勤怠管理システム導入実績が多数！

ガルフネットが提供する勤怠管理システムは「ガルフCSM」といい、これまで約25年に渡り、小売業界をはじめ、サービス業界、飲食業界など約30,000店舗へ導入いただいてきました。もちろん、ここでご紹介した機能は全て搭載しており、時代の変化、業界のニーズ、法律の改正などに合わせて順次バージョンアップもしています。

新たに勤怠管理システムの導入、入れ替えを検討されている小売企業様で、より詳しい情報が欲しい、導入や運用に関する相談がしたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。